しかし、これらの変化はすべて“人間社会”でのことです。このような大きな変化がある中でも、1年は365日で終わり、また新たな年の元旦が来るという暦の繰り返しは変わらないのであります。これは、地球と太陽との関係に変化がないからです。春夏秋冬は相変わらす繰り返され、それに伴って自然界は一定のリズムを保ち、人間も自然の一部として、肉体の機能の中にこの不変のリズムが刻みこまれています。これは地球温暖化が進行しても、大きくは変わらないと思われます。ですから、この現象世界では“不変のリズム”の中で変化が起こりつつあるということが分かるのであります。
このような環境の中では、変化に適切に対応しなければならないことはもちろんですが、その「適切な対応」とは、変化の背後にある“不変のリズム”を正しく把握して行わなければ難しい。これは、揺れているブランコの上でお手玉をするようなものです。自分の乗っているブランコの揺れ方をしっかりと把握しておかねIよ、お手玉は下に落ちてしまうのです。そういう意味で、この21世紀初頭の変化の時代でも、古人の知恵に不変のものを見出してそこから学ぶことは非常に重要だと思います。