まず、地震や天災の起こる「時間軸」のスケールが、人間
と地球とでは相当異なるという点を指摘した。言い直すと、
人間は生活の中で時間を考えるときには1年とか2年を単
位として、せいぜい10~20年先のことまでしか考えな
いが、地殻変動は100年、1000年、1万年という長い
時間の中で普通に起こるものである。この時間軸のスケール
の差が、地球にとっては「自然な」現象である大地震等の地
殻変動を、人間にとっては突発的な「異常」現象や「災難」
のように感じさせる。地球上のどの地点で地震が起こりやす
いかは、すでに科学者によって以前から指摘されている。し
かし、人間の方では「もう10年も何も起こっていないから」
とか「他の人も大勢、家を建てているから」などという、人
間中心の短期的視点で土地の購入や開発の決定をくだしてき
た。