イタリアで時々聞こえてくる「やじ」をお世辞ととらえるか否かにもよるが、イタリア人は、友人も、見知らぬ美しい女性もとにかく褒める。
イタリアでは、お世辞は古くから怒りや緊張を和らげる手段として用いられ、社会を円滑に動かす力になってきた。
ジャーナリストのルイジ・バルジーニは著書「イタリア人」の中で次のように書いている。
「イタリア人は、有利に立とうとしたり、ライバルを蹴落としたり、富と権力を得るためにお世辞を積極的に利用するが、イカが敵から逃れるために墨を吐くように、権力者、独裁者、暴君の目をくらましたり、混乱させるために防御的に用いることもある」